2012年2月28日 第23回活動報告
『福島県南相馬市小池長沼』

活動目的

今回の活動目的は、前回(第22回活動)物資リクエストを伺った『南相馬市鹿島区小池長沼仮設住宅』にお住まいの方々に対し、支援物資をお渡しすることである。また、同じく前回リクエストを伺った際、トリミングやしつけトレーニングの要望も多かったため、トリマーとドッグトレーナーに同行してもらい、出来る範囲でそれらを実行すること。さらに、画家である長友心平さんにも同行してもらい、ペットと飼い主さんの似顔絵サービスや、作品作りに被災者の方々が参加していただくことによって、ひとときの楽しい時間を演出することとした。

活動内容

ペット用品通販サイトを運営するペットゴー株式会社がD・O・Gの活動に対して立ち上げていただいたポイント寄付制被災地支援企画、『たすけあいペットプロジェクト』によって調達された支援物資を、前回訪問時にリクエストを受けた方々へお届けすることが今回の主な目的である。

また、前回物資リクエストを受ける際、仮設入居者の方々との会話の中で、しつけやトリミング等のニーズも少なからず存在することがわかったので、ドッグトレーナー2名、トリマー2名をキャラバンに加え、簡単なドッグトレーニング指導および爪切り・肛門腺絞り等のケアを実施した。

さらに、絵画アーティスト・長友心平氏も今回のキャラバンに参加し、ペットの似顔絵や参加型のアート創作を現地で展開した。

そして今回の活動に付随して、仮設住宅でペットと同伴生活をされている方々とのふれあいの中で、震災から今日までの、ペットと避難するにあたっての経験談を記録し、こうした事実を教訓とすることによって、今後の緊急災害時におけるガイドラインとすべく、取材班としての活動も加えることとした。

まず、ペットゴー社の会員である一般ユーザー様から、気持ちのこもったポイントを寄付していただくことにより実現した、『たすけあいペットプロジェクト』によって調達された物資については、前回訪問時にリクエストを受けた方々へ手渡しすることができ、D・O・Gが当初より掲げてきた、ご縁を深めながらニーズを探り、本当に必要とされる物資をお届けするという『血の通った』支援という意味で、一定の成果を見ることができたと考える。

我々が宮城県七ヶ浜町等へのアプローチの中で学んだ経験則が、ペットゴー社とその一般エンドユーザー様の物的支援協力という後ろ盾を得ることによって、よりきめ細かなケアが可能となり、また、そこからさらに、D・O・Gが目指すところである『未来のペットショップ』を構築するにあたっての様々な経験とサンプルを得ることができるものと考える。

また同時に、前回物資リクエストを受けられなかった方々や、前回物資リクエストをしたがニーズに変化があった方々に対し、新たなリクエストを受け付けることによって、不公平感を払拭すること、および長期継続することを現地の方々にお約束し、我々が目指すところである『ご縁』をつなぐ活動も引き続き行なった。

ドッグトレーナー2名は、お集まりいただいた仮設入居者の方々の飼い犬数頭に対して、無駄吠えや散歩時の引っ張りぐせの矯正等を実施した。時間的な制約のある中、主に飼い主さんの心構えや矯正のヒントなどをレクチャーし、参加した入居者の方々には大変喜んでいただけたと思う。

トリマー2名には、爪切りや肛門腺絞りなどの簡単なケアを実施した。物理的、時間的な制約もあり、シャンプーやトリミング等の処置は難しかったが、なかには爪切りが初めてという犬などもいて、これも喜んでいただけたと思う。震災前は、広大な場所で思い切り走り回ることができた中型以上の犬たちが突然、狭小の仮設住宅で暮らすことで起こる身体的な変化へのケアという観点から見ると、こうした簡単なケアとはいえ、今後も継続していくべきアプローチであると言える。

430475_381207221891049_10399159_n画家の長友氏は、トリマー・トレーナー待ちの方々の待ち時間を利用し、ペットと飼い主さんの似顔絵を描いてお渡しした。また、参加者の方々に一つひとつのピースそれぞれに絵を描いていただき、それをつなぎ合わせて一つの作品にするという企画を持ち込み、多くの方々に喜んでいただけたと思う。長友氏の柔らかなタッチの似顔絵サービスもさることながら、参加型にすることによってより距離感が近くなり、我々が目指す『ご縁をつなぐ』ことを、さらに深めるきっかけを作ってもらったと感じる。

取材班は、トリマー待ちや物資リクエスト待ちの方々に対し、それぞれのペットと飼い主さんが経験してきた談話を伺った。突然環境の変化を余儀なくされた飼い主さんとペットの間には、ひとり一人、一頭一頭それぞれのストーリーが存在し、その壮絶な経験談は、単なる『かわいそうな物語』ではなく、今後緊急避難を必要とする災害がほかの地域で発生した際の、ペット同伴避難における貴重かつ有効なヒントとなり得るものと確信する。D・O・Gとしては、こうした貴重な談話をまとめ、多くの方々に知ってもらうべく、アウトプットの方法を模索していこうと思う。

今後の連携・方向性

今回のキャラバンでは、ペットゴー社の協力もと、支援物資を提供していただいたことと連動し、トリマー、トレーナー、アーティストを交えた一つの『イベント』としてパッケージするカタチを試行したが、成果としては一定のものを得られたのではないかと考える。今後はさらに、散歩代行やもっと突っ込んだ内容のドッグトレーニング教室など、一つひとつのコンテンツの充実を図っていくことも視野に入れたい。また、こうしたパッケージイベントは、毎回同じカタチで実施することは、キャラバン参加メンバーが流動的である以上困難であるので、キャラバンごとに内容を変更しつつ、柔軟にコンテンツを変化させることも必要であり、その方策・カタチについては今後の懸案事項としたい。

今回は、一般入居者が暮らす130世帯とペット可棟約70世帯が分かれている南相馬市小池長沼仮設住宅に絞ったので、時間的に余裕を持って活動することができたが、先にも述べたとおり、参加メンバーによっては活動内容をコンパクトにして、例えば北上して七ヶ浜へのアプローチもパックするなど、今後は柔軟に対応したい。同時に、積極的かつ継続的に、ドッグトレーナー・トリマー等のキャラバン参加も呼びかけていきたいと考える。

文責:村松